国立オペラ・カンパニー 青いサカナ団





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◆第10回公演 歌劇「ラ・ボエーム」La Boheme
1997年 2月15/16日 於・なかのZERO大ホール

作曲 :G.プッチーニ
指揮 :神田慶一
演出 :八木清市

Cast :
(2/15)ミミ;木村弘子  ロドルフォ;高橋 淳  ムゼッタ;高島秀美  マルチェルロ;米谷毅彦
(2/16)ミミ;菊池美奈  ロドルフォ;秋山健治  ムゼッタ;卜部博子  マルチェルロ;星野 聡



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 『ラ・ボエーム』はサカナ団にとって、<物差し>の様な作品です。これが2回目の挑戦ですが、前回の『ボエーム』に比べて、どの程度自分達が進歩したのか、どの程度音楽性や表現力がアップしたのか、それを知るための<物差し>なのです。前公演で『トスカ』を選んだ時と同様に、「まともな」グランド・オペラに対してサカナ団がどの程度、「まともな」オペラ団としての底力を示せるのか、という課題を持ちながら臨んだ公演でもあります。

 しかしこの様に何度も同一作品を取り上げるのは、何と言ってもその作品をこよなく愛しているからでもあります。若い芸術家の生活と愛、そして別れを描くこのオペラは、自分達の人生の投影でもある様に思えます。貧乏芸術家を描かせたら、サカナ団より上手に演ずる事の出来る団体はないのではないか?とさえ思った程です。何しろ、本当に貧乏な芸術家だったので。

 それはさておき、サカナ団の歩みの中では2回目となる『ボエーム』ですが、前公演の『トスカ』同様に、「ヴェリズモ(現実主義的)オペラ」としての作品として『ボエーム』を見つめ直した事が、1回目の公演との一番の違いです。この<演劇性>へのアプローチ(もしくは認識)の違いだけでも、1回目の『ボエーム』からの4年の歳月、あるいは7回の公演分の成長を見て取れるかも知れません。

写真:長谷川清徳

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