国立オペラ・カンパニー 青いサカナ団





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◆第5回公演 歌劇「銀河鉄道」The Galaxy Express
1994年 7月27/28日 於・なかのZERO大ホール

作曲 :神田慶一
原作 :宮沢賢治
指揮 :神田慶一
脚本・演出 :佐藤裕惟

Cast :
ジョバンニ;斎藤喜栄  カムパネルラ;古田多紀子  先生;山口浩史  地質学者;村上敏明
鳥を捕る人;岡田 誠  家庭教師;栗原大輔



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 神田慶一自作によるオペラの記念すべき第1作。ご存知、宮沢賢治原作の童話を元に、幻想的でメランコリックな作品に仕上がりました。新作オペラというと初めての音符を覚える出演者にとっても、初めて生まれる舞台を実現させなければならないスタッフに取っても、スタンダードに取り組む何倍もの労力を要求されるものですが、第1作目から「素敵な」作品として誕生させる事が出来た事は、本当に幸運な事だと思っています。何しろ、出演者もそしてお客様も大変な愛情を持ってこの作品に接して下さった、その感動は今でも胸の中に焼き付いています。今思えば、この作品はオペラというより、(表現は正しくないかもしれませんが)シンフォニックな構造を持っている作品です。その点では「演ずるオラトリオ」などという表現が作品造形を最も言い当てているのかもしれません。

 実を言うと、前回公演『トゥーランドット』で受けた様々なダメージがサカナ団を蝕み、以降の活動の目処が立たなくなっていた矢先に、中野を本拠地とした地元の児童合唱団の方々からご提案頂き創作したのが、この作品が生まれるきっかけでした。人生は本当に不思議なもので、その偶然の縁により創作した事が、その後サカナ団の創作オペラ団体としてのポジションを生み出す事になるとは、当時は想像も出来ませんでした。結果として生み出された作品は、<子供のためのオペラ>という点で斬新であり、またその後続々とサカナ団が生み出す事になる<市民参加形オペラ>タイプの第1作目でもあります。

 この時、創作に際して抱いていたテーマは元来のオペラの基準値を変えてみる事。それは、高価で豪華で敷居の高いものというイメージが先行していた<オペラ>認識を、その本来の魅力に立ち返って(いや、本来の姿を覆して)、手軽で安価で、それでいて豪華さを楽しめる<オペラ>認識に変える事。オペラの持つ楽しさを、もっと一般に広める必要を非常に感じていた時期でもあります。この公演以降、青いサカナ団は頻繁に新作オペラに取り組むことになりますが、この公演で初めて培ったノウハウは、非常に新鮮で、かつ試行錯誤を繰り返しての冒険でもありました。

写真:長谷川清徳

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